ノバの営業譲渡

 英会話学校のノバが経営破たんして、会社更生法の適用申請が大阪地裁に出されたが、経営再建を断念して、ノバは営業譲渡して清算されることになった。
営業譲渡先は、名古屋のGコミュニケーションという会社の子会社で、Gエデュケーションという会社である。 Gエデュケーションは当面30校程度の開校をする。 
 Gエデュケーションは資本金1億円、従業員157名だということである。売り上げ高もあまりはっきりしない。 ノバの救済にはあまりにも力量不足ではないだろうか、また、どこまで本気で考えているか分からない。
 もちろん、会社が小さくてはいけないと思わないし、他に条件のいい候補がなかったことも、聞いているし、私の経験からも分かっている。ただ、はやくも今、その正体と結果が見えてきた。
 私はこの一連の報道を聞いて、いくつかの疑問点と不審点をもっている。むしろ疑問というより怒りをも感じている。この責任は誰がとるのだ。
 ちなみに、私はノバの受講生ではないし、英会話教室関係者でもないし、ノバの株を持っているわけでもなく、特別な関係もない。ただ、教育関係の企業人として、この収拾劇は、やはりどこかおかしいのではないかと思うのだ。
 その理由について順次書いていきたい。
 まず、スタートは、渡辺勝一取締役、吉里仁見取締役とアンデルス・ルンドクヴィスト取締役の3人が猿橋望前社長を解任して代表取締役権を取得し、10月26日、大阪地裁に会社更生法の適用を申請した。この経緯については適法だったと言われているが、手続き上全く疑念がないわけではない。経緯をもうすこし時系列に沿って明らかにすべきだと思う。
 つぎに、3人の取締役が総退陣し、裁判所が法的整理の陣頭指揮をとり、更生会社の経営にあたる更生管財人の弁護士を選任した。保全管理人に選任され、就任したのは2名の弁護士であった。
 これらの弁護士が、ノバの営業資産価値の下落を心配して大急ぎで決定したのは、短絡的にも、改正会社更生法で認められた、裁判所による更生計画認可前の売却(営業譲渡)の選択であった。
 そして、自己弁護するかのように営業譲渡先を「太っ腹な会社」で「従業員や受講生を守ろうとする熱意に動かされた」と評したのだ。
 でもこの弁護士の発言はいかがなものだろうか。なんと単純な人なのだ。
 私はこの発言から弁護士の資質、レベル、経営に関する感覚の低さをを疑わざるをえない。
 保全管理人である弁護士によれば、「会社にはほとんどお金は残っていない。現状では受講生に封書1通を送ることも難しい」とのことで、そのような中での決断に対して、理解しないわけでもないし、苦労が分からなくもない。
 しかし、私が問題にするのは、苦労話ではなく経営譲渡先の決定と条件等を交渉する技量と能力だ。そして、少しでも多くの受講生が救われるかどうかの結果だ。
 この決定をみると、これらの弁護士、それを選任した裁判官には、この重大な案件を取り仕切る能力などなかったと思うのである。
 結果として、ノバの669教室の大半は閉鎖されることになり、30万人ともいわれる受講生のうち救済されるのはほんの一握りの生徒である。最近発表された開校予定教室一覧によると、決して受講生のことを考えた地区の基点校ではない。推定すれば2,000から3,000人程度の生徒の受け皿しかないだろう。この教室選定はどのような判断によったのだろう。
 結論を言えば、このノバ劇は、経済産業省がノバをつぶし、その結果のハゲタカ的ないいとこ取りの営業譲渡だったのだ。
そのことについて次回以降述べていきたい。

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